ストーリーズ
目の愛護デー 2019 白内障
眼科の名医・所先生が伝授!有近(アルコン)家と学ぶ5つの目の見え方と病気
~子どもの近視から白内障まで~
2019年 10月 3日
安佐子の父 吾郎( ごろう 75歳):安佐子の家から徒歩5分ほどのところに居住。ゴルフが趣味で、月に1~2回はコースに出るアクティブシニア。
快晴なもとでのゴルフは気持ち良いが、最近まぶしさを感じることが多くなり、ゴルフのスコアにも影響が・・・。それに、物につまずきやすくなった気もする。約1年前に眼科で白内障の症状が出始めていると言われた。
白内障
バーをスライドして、通常の見え方と老眼の見え方を比較してみてください。
白内障は全体にコントラストが弱くなり、黄みがかって見えます。黒、グレー、紺などの色の区別もしづらくなります。

吾郎「昨日のゴルフは天気が良くて、気持ちよかったよ。ただ最近、天気の良い日に外に出るとまぶしいんだよなあ。それに、お湯を沸かす時、コンロの火も見えにくいし、足元もよく見えなくて、つまづきやすいし、なんだか目の調子が悪いんだ。」
安佐子「お父さん、もう若くないんだから、ケガしないように気を付けてよ。そういえば最近、黒のTシャツと紺のTシャツを取り違えたりするけど、よく見えていないのかしら。」
所先生「安佐子さん、お父様の行動をよく見ていますね。お父様は白内障かもしれません。白内障は主に加齢が原因で、年齢と共に罹患率が増加します。白髪などと同様に加齢現象の1つと考えられ、80代以上ではほぼ100%の人が白内障に罹患すると言われています。」
安佐子「白内障という名前はよく聞きますが、どんな目の病気なのでしょうか。」
所先生「白内障は水晶体が白濁し、眼底の網膜に光が届きにくくなることで視力が低下する病気です。色のコントラストが悪くなり、物が白や黄みがかかって見えます。お父様はそのため色の識別が難しいのかもしれません。
そして白内障になると、まぶしさを感じたり、光を背にした人の顔や反射物が見えづらくなり、目のかすみ、視力低下、物が二重に見えるなどの症状が現れます。だからお父様はまぶしく見えるのかもしれませんね。
日光などの紫外線が原因で進行するため、日差しが強い場所ではサングラスなどを使用することも大切です。」
吾郎「白内障かあ。たしか、約1年前に眼科で白内障の症状が出始めているって言われたなあ。先生、白内障は進行を止めることはできるんですか?」
所先生「初期段階であれば目薬などで進行を遅らせることができます。しかし、症状が進行し、運転や日常生活に不便を感じると、手術しか治療方法はありません。
白濁した水晶体を除去し人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入する手術を行います。手術自体は通常約10~15分で終了し、最近は日帰り手術が増えていますよ。感染症を避けるために片眼の手術を行い、約1週間あけてもう片眼を手術します。」
吾郎「目の中に、レンズ?!」
所先生「眼内レンズには主に、ピントが1カ所のみに合う単焦点レンズと、遠くや近くの複数にピントが合う多焦点レンズの2種類のレンズがあります。
ライフスタイルや目の状態に合わせ、眼科医に相談しながら、吾郎さんにとって最適なレンズを選択してくださいね。」
吾郎「先生、なるほど。眼内レンズにも見え方によって種類があるんですね。眼科で一度検査を受けてみようかな。」
安佐子「そうね、お父さん。つまずかないように眼科まで一緒について行ってあげるわ。」
豆知識 眼内レンズの主な種類
- 単焦点眼内レンズ:手元、中間、遠方のいずれか1カ所にのみピントが合うレンズ。焦点が合わない距離の視力は落ちるので、眼鏡等をかける必要があります。
- 多焦点眼内レンズ:遠くや近くなどピントが複数に合うレンズ。多焦点眼内レンズには2焦点と3焦点の2種類のレンズがあります。若い頃のようにすべての距離にはっきりと焦点が合わせられるわけではありませんが、おおむねどの距離にもピントが合い、眼鏡をかける煩わしさを軽減でき、生活の質の向上が期待できます。
- 2焦点眼内レンズ:手元と遠方、中間と遠方など、2カ所にピントが合うレンズ。
- 3焦点眼内レンズ:近方、中間、遠方の3カ所に焦点が合うレンズ。最近、日本初の3焦点眼内レンズが承認され、若い頃の様な自然な見え方を追求したい日本の患者様にとって白内障治療の選択肢が広がりました。
白内障の症状や見え方、治療法、および、各種眼内レンズによる見え方の違いについては「わかる!白内障」をご覧ください。
いかがでしたか?有近(アルコン)家のストーリーを身近に感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私たちが日常得る情報の80%は目から受け取ると言われます。また、人生100年時代と言われる現代社会に暮らす私たちにとって、素晴らしい視界を長い間維持することは、より豊かな生活や人生につながります。
目の健康のために、定期的な目の検診と適切な治療を心がけましょう。
目の愛護デー 2019
長女 明花 めいか 12歳
(近視)
長男 伸哉 のぶや 17歳
(乱視)
安佐子 あさこ 45歳
(老眼)
安佐子の夫 勲 いさお 47歳
(緑内障)
安佐子の父 吾郎 ごろう 75歳
(白内障)
目の愛護デーとは
「10.10」を横にすると人の顔の目と眉に見えることから、毎年10月10日を「目の愛護デー」として制定。目の愛護デーにちなんで、眼疾患の予防意識の向上や早期発見を目的に、一般の方を対象にしたイベントが日本各地で開催されます。今年のイベントの詳細については日本眼科医会のウェブサイトをご覧ください。
監修:東京医科歯科大学 名誉教授 所 敬 先生
JP-CORP-1900008