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2020年コーポレートレスポンシビリティ

2020年コーポレートレスポンシビリティレポート発行にあたって

アルコンCEO デイビッド・エンディコット

アルコンは、75年以上にわたり、「世界中の人々に素晴らしい視界がもたらされるよう貢献する」というパーパスのもと、事業を行ってきました。昨年、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックに直面する中で、私たちはこのパーパスに対する揺るぎないコミットメントを示しました。アルコンがどのように危機を管理し、従業員を守り、お客様にサービスをご提供し、長期的な価値創造のための計画を推進したかを、発行2年目となる、今回のコーポレートレスポンシビリティレポートを通じてご報告できることを光栄に思います。


昨年、パンデミックが本格化し始めたとき、私たちはいち早くアルコン危機管理チーム(ACM)を発動し、グローバルレベルでアクションを起こしました。ACMは発動後数日以内に、従業員の安全を確保し、事業を継続するための一連のプロトコル、プロセス、手順をグローバルおよび各国で実施しました。多くの社員がリモートワークに移行しましたが、製造工場、倉庫、配送センターの何千人もの従業員は通勤し続け、製品やサービスの提供が途切れないよう業務を継続しました。現場での安全対策を迅速に実施し、世界中のアルコン拠点における感染リスクを軽減しました。また、リモートで働く社員の生産性を高めるためのサポートも行いました。患者さんのために多大な努力をしてくれた社員に非常に感謝しています。

パンデミックの中で、アルコンは雇用と給与水準を維持しました。また、業界と協力して安全プロトコルやワークフロー戦略を策定し、教育コンテンツや実用的なリソースをお客様に提供し、地域社会の重要なニーズを支援するために慈善活動にも取り組みました。こうしたアルコンの医療危機への対応が多くのステークホルダーの方々の支えになったことを嬉しく思います。

この不確実な世の中においても、私たちは戦略的イニシアチブとイノベーション計画に確固として取り組んできました。(ノバルティスからの)分離に関する活動は順調に進み、2021年前半に分離を完了し、トランスフォーメーション(変革)の取り組みも大きく前進しました。コンタクトレンズの新しい製造ラインを継続的に導入し、今年は新しいコンタクトレンズ製品ブランドを発表しました。イノベーション・パイプラインへの着実な投資を継続し、すべてのプロジェクト開始時に関係部署の合意を形成するために、新しいステージゲートプロセスを導入しました。また、廃棄物の削減と製品の循環性を高める取り組みを推進するため、製品設計プロセスの一環として、環境サステナビリティに関する要件の組み入れをスタートしました。

アルコンの成功の核となるのは人財と組織文化です。昨年は、アルコンの価値観に基づいて、従業員をサポートする新しいプログラムを継続的に実施しました。私たちはベストなイノベーションは多様な視点からもたらされることを信じています。そこでダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を全社的な優先事項として掲げ、具体的な経営目標を設定しました。D&I担当とエグゼクティブ・ダイバーシティ・カウンシルはD&I戦略を刷新し、従業員リソースグループの意見を取り入れています。

最後に、環境サステナビリティの取り組みも進んでいます。マテリアリティ・アセスメント(重要課題の評価と特定)により、炭素排出量、廃棄物、水、エネルギーの管理における優先順位を特定し、本報告書ではその戦略とアクションプランを詳述しています。そして現在、グローバル規模の環境フットプリントを総合的に評価するための手順に着手しています。今後出てくる調査結果は、アルコンの将来のサステナビリティ戦略に反映されます。

私は従業員、特に現場で働く従業員が今年見せた素晴らしいレジリエンス(回復力)に感銘を受けています。彼らの献身的な働きは、世界的な医療危機の中で、患者様やお客様に対するアルコンのコミットメントを示してくれました。彼らは、あらゆる人が素晴らしい視界を持つことができる世界を創る、という私たちのパーパスを推進し続けています。

アルコンCEO
デイビッド・エンディコット


2020年レポートのハイライト

  • お客様と患者様の利益:私たちのイノベーションは、患者様の安全、製品の品質、そして人生を変えるほどの恩恵をもたらすアイケアへのアクセスを増やすというコミットメントに基づいています
    • 年間6億ドル以上の研究開発投資
    • 2008年以降、アルコンの超音波水晶体乳化吸引術の普及プログラムでトレーニングを受けた約5,000人の眼科医が計600万眼以上の手術を実施
    • 2020年に50カ国で130のメディカルミッションをサポート
  • 環境への配慮:私たちは、製品のライフサイクル全体を通じて環境フットプリントの継続的な改善に取り組み、責任を持ち、持続性を持ちながらビジネスを成長させていきます
    • 製品開発プロセスにサステナビリティを統合
    • 約95%の製造拠点でISO14001を取得。2021年に100%取得を目指す
    • 3つの拠点で100%再生可能エネルギーを購入・使用
    • 製造廃棄物ゼロのポリシーに基づき、約60%の拠点で非危険物の廃棄物を100%埋め立てずに処理
  • 望ましい職場環境:良い職場は、市場で高い優位性を持つことを意味します。私たちは優秀な人財を惹きつけ、安全でエンゲージメントの高い、多様性のある包括的な職場環境を育むことで、その両方を達成します
    • コロナ禍でも雇用を維持し、従業員の安全を確保
    • ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)オフィスを設立し、D&Iの取り組みを推進
    • アルコンのグローバル全体で全従業員に占める女性の割合は49%
    • Employer of choice(働きたい企業)として選ばれる
  • 誠実な事業敢行:アルコンは、例外を認めることなく正しい方法でビジネスを行うことにコミットしています。倫理基準に基づいた行いと、汚職や賄賂に対するビジランスは、私たちの持続的な成長に不可欠です
    • 米国で、調達額の約14%を多様なサプライヤーから調達
    • フルタイム従業員の99.5%が行動規範に関する必須トレーニングを完了
    • サイバーセキュリティプログラムを充実させ、アルコンの新しいエンタープライズシステムのインフラをしっかりと立ち上げた

2020年コーポレートレスポンシビリティレポートはこちら(アルコングローバルサイト:英語)をご覧ください。