花粉シーズン到来！コンタクトレンズ選び &
ケアのポイント

花粉症シーズンのコンタクトはシリコーンハイドロゲル素材がおすすめ

少しずつ訪れる春の気配を心待ちにしつつも、花粉症の方にとってはつらい時期ですね。2月から4月は全国でスギ花粉飛散のピークを迎えます。国民病ともいわれる花粉症。「目のかゆみ」に悩まされる方も多いのではないでしょうか。ここでは、コンタクトユーザーの方に向けて、花粉症シーズンとコンタクトの上手な付き合い方についてご紹介します。

花粉症の時期はコンタクトをしないほうがいい？

目の潤いを保つ涙液（いわゆる涙）は、目に入った花粉をある程度洗い流すことができますが、花粉がコンタクトレンズに付着すると花粉が目の中に長くとどまることになるので、アレルギー性結膜炎を起こしたり悪化させたりする可能性があります。ですので、花粉症の時期はコンタクトの装用をお休みするという選択肢もあるかもしれません。

さらに、花粉症によるかゆみで目をこすってしまうことにより、目の粘膜が傷つき、細菌による感染症を起こしてしまうリスクもあります。

花粉が飛ぶ時期も、快適なコンタクトライフを

では、花粉シーズンのコンタクトは絶対NGなのでしょうか。コンタクトと一言でいっても、その種類はさまざま。眼科の先生に相談の上、賢いコンタクト選びと日常の工夫で、花粉症であってもコンタクトを装用して生活することができるでしょう。花粉の飛散時期には一般的に1日使い捨てタイプのコンタクトが有用なことは知られていますが、最近の研究で、レンズ素材によって「コンタクトレンズ表面への花粉のくっつきやすさ」に違いがあることが明らかになりました。

シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトを選びましょう

さまざまな素材のコンタクトを使用した実験では、カラーコンタクトは特に花粉がくっつきやすく、シリコーンハイドロゲル素材のものは最もつきづらいという結果が出ました¹。花粉症の時期は、カラーコンタクトの装用を控え、花粉がつきづらい1日使い捨てのシリコーンハイドロゲル素材のものを選ぶのがよいでしょう¹。

アルコンが提供するシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクト「デイリーズ トータル ワン^®」と「プレシジョン ワン^®」は、一般的な1日使い捨てコンタクトと比べて、花粉の接着性が非常に低いことが分かっています¹（下図）。

コンタクトレンズの素材による花粉接着性（くっつきやすさ）の違い

※13種類の1日使い捨てソフトコンタクトレンズにスギ花粉0.01mg/mlを滴下し、24時間スギ花粉を接着させた後、生理食塩水に浸したレンズを生理食塩水で5回すすいだ後の、レンズ中心部の面積に付着した花粉粒指数と粒子の接着面積の割合を求めたもの

これは主に「デイリーズ トータル ワン^®」と「プレシジョン ワン^®」の素材表面を包み込む、親水性ポリマーの高い潤滑性（なめらかさ）によるものです。衣服でも、ウールなどのでこぼこした素材に比べ、木綿やポリエステルなどの滑らかな素材のほうが、花粉がつきづらいことは知られており、コンタクトでも同じことが言えると考えられます。

花粉シーズンのコンタクト選びには素材以外にも気を配りましょう

① 1日使い捨てコンタクトレンズを使う²
毎日清潔なコンタクトを使用できる1日使い捨てタイプを使用した方が、アレルギー性結膜炎の症状が軽減するという研究があります³。
② レンズ表面のうるおいが高く、よりなめらかなレンズを使う
レンズ表面がなめらかなほうが花粉の付着を軽減できる可能性があります。
③ 涙液量（涙の量）の低下が少ないレンズを使う
涙の量を保てるレンズのほうが目の表面についた花粉を洗い流しやすくしてくれると考えられます。

目薬で花粉を洗い流しましょう

人工涙液タイプの目薬を定期的に使用する
眼の表面についた花粉が、つぶれてアレルギー物質を放出することによってアレルギー症状が引き起こされます。花粉の粒子がつぶれる前に目薬で洗い流すことで、花粉による結膜炎の軽減につながる可能性があるとされています²。

花粉症の皆さんにとって、つらく厳しいこの季節。適切な対策を取って、コンタクトと賢く付き合っていきましょう。

※花粉による結膜炎の自覚症状がある場合はコンタクト装用を中止し、眼科医の診断を受けてください

アルコンのコンタクトレンズ製品についてはこちら

花粉症に関する基本情報や、花粉の時期のコンタクトとの付き合い方については「花粉症レスキュー隊」もぜひご覧ください。

References:

1. T Mimura et al: Evaluation of Pollen Adhesion to Verofilcon-A Soft Contact Lenses. Open Ophthalmol J 2021; 15: 305-313
2. 高村悦子. コンタクトレンズセミナーアレルギー患者のコンタクトレンズ装用における理想と現実. あたらしい眼科2018 ; 35(12): 1651-1652.
3. Hayes V, SchniderCM, VeysJ. An evaluation of 1-day disposable contact lens wear in a population of allergy sufferers. Contact Lens & Anterior Eye 2003 ;26: 85–93

コンタクトレンズは高度管理医療機器ですので、以下の項目を必ず守った上で装用してください。

• 眼科医の検査・処方を受けてお求めください。また、必ず定期的に検査をお受けください
• 製品の添付文書を必ずお読みください
• 装用時間は正しく守ってください（装用時間には個人差があります。眼科医の指示に必ず従ってください）
• 取り扱い方法を守り、正しくご使用ください
• 少しでも異常を感じたら、直ちに眼科医の検査を受けてください
• 使用期間を必ずお守りください
• 破損等の不具合のあるレンズは絶対に使用しないでください