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プレスリリース

日本アルコン、網膜硝子体手術用プローブ「ハイパービットデュアルブレード ビトレクトミープローブ ベベル」を1月15日に発売

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独自構造により1分間に20,000カットを実現安定性とコントロール性を強化

  • 従来製品の2倍速度である1分間に20,000カットを実現したことにより、拍動性牽引(網膜組織の巻き込み)を最大31%低減1
  • 独自デザインにより吸引ポートを常時オープンしながら硝子体をカット。手術中の網膜の振動を低減し、眼内組織の安定性を維持2
  • アルコン独自のデュアル空気圧駆動により、硝子体吸引流量を増加し3、手術時間の短縮に貢献
  • 先端が斜めにカットされたアルコン独自の形状により組織表面への距離を短縮し、コントロール性を向上
日本アルコン株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長:リック・コズロスキー、以下「アルコン」)は、本日、網膜硝子体手術用プローブ「ハイパービットTMデュアルブレード ビトレクトミープローブ ベベル」(以下、「ハイパービット」)」を発売しました。25+および27+ゲージの2タイプを展開します。 同製品は、既存のプローブ製品をアップグレードした製品で、手術中に硝子体(眼球内を満たすゼリー状の組織)をカットし、吸引するために使用されます。高いカット速度と硝子体吸引流量の増加を実現し、安定した硝子体手術を可能にします。ハイパービットは、アルコンの白内障・硝子体手術装置「コンステレーション®ビジョンシステム」4に接続して使用します。 pr-20210115-01

 ※「+」は、眼内に挿入する金属部分の強度を高めるため、金属の根本部分を太くした製品を指します。

網膜硝子体手術は、加齢や網膜剥離、糖尿病網膜症などの疾患により硝子体が変質し、網膜に光が届きにくくなり、視界に影響を及ぼす場合に行われる手術です。硝子体は網膜につながっているため、プローブを使って組織を切り離し、変質した硝子体を取り除き、眼灌流液等に置き換えることで、網膜へ正常に光を届け、視界を回復させます。

今回発売したハイパービットは、以下の特徴により、手術中の安定性とコントロール性がさらに強化されました1

  • 二枚刃構造により、1分間に20,000カットを実現
    独自の二枚刃構造により、業界で最高速度である1分間当たり20,000回カットを実現。アルコ ンの従来製品の2倍のカット速度となっています。これによりアルコンの従来製品に比べ、拍動性牽引(網膜の巻き込み)を25+ゲージで28%、27+ゲージで31%低減し1、硝子体の切断が 不十分なために発生する網膜の巻き込みを防ぎます。
  • 常に吸引ポートをオープンしながらカットできるデザインを採用。より安定した吸引が可能に2
    吸引ポートが閉じることなくカット・吸引を同時に継続して行えるため、ポートが開口・閉口を繰り返しながら吸引する従来製品に比べ、吸引流量の不定によって発生する網膜の振動を抑え、安定した吸引を可能にします。 pr-20210115-02
    先端部分の拡大図。空気圧駆動により、
    内部の刃が上下して組織をカットしながら、吸引する
    pr-20210115-03
    吸引ポートの常時開口によって、従来製品に比べ網膜の振動を抑えることが可能
  • アルコン独自のデュアル空気圧駆動により、硝子体吸引流量を改善3
    27ゲージのプローブは、25ゲージのプローブに比べ形状が細いため、一般的に低侵襲ですが、その一方で硝子体を吸引できる量(硝子体吸引流量)が少なく、手術に時間がかかることが課題でした5。ハイパービットは、従来製品に比べ、硝子体吸引流量が25+ゲージで最大90%増加、 27+ゲージでも48%増加し、手術時間の短縮に貢献できます。
  • 先端が斜めにカットされたデザイン(ベベルデザイン)がポ ートから組織表面までの距離を短縮6、コントロール性を向上
    アルコン独自のベベルデザインにより、先端が平たい構造の製品に比べ、組織表面への距離が近くなり、操作時の安定性をサポートします。 pr-20210115-04

日本アルコン代表取締役社長のリック・コズロスキーは次のとおり述べています。「アルコンは網膜硝子体手術分野のグローバルリーダーとして、お客様からのフィードバックを反映させながら、製品ポートフォリオの進化を推進しています。ハイパービットは、安定した硝子体吸引というお客様の期待に応えながら、高いカット速度を実現しました。市場をリードする弊社のコンステレーション®プラットフォームの一 部として、この革新的な新製品を提供できることを嬉しく思います。アルコンは、患者様に最善の治療結果をもたらすために、引き続き革新的な製品の提供に努めてまいります。」

製品概要

販売名:ウルトラビット 硝子体プローブ
医療機器承認番号: 22200BZX00926000
価格: 25+ゲージ 306,000円 / 27+ゲージ 324,000円(税抜)

網膜硝子体手術について

網膜硝子体手術は、糖尿病網膜症、硝子体出血、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜、網膜血管疾患(網膜静脈分枝閉塞症・網膜中心静脈閉塞症)、硝子体混濁(ぶどう膜炎)などの病気や加齢によって、眼球内の「硝子体」と呼ばれるゼリー状の物質が変質し、網膜に光を通しづらくなっている状態を改善するために行われる手術です。

手術では角膜の横に小さな穴を3カ所開け、そこから細い器具を眼内に挿入し、眼球内の出血や濁りを硝子体と共に取り除きます。その後、網膜の病変に対する治療を行ったのち、眼内を水・空気・ガス・シリコーンオイル、眼灌流液等に置き換えます。

About Alcon

アルコンは、人々に素晴らしい視界がもたらされるよう貢献します。アイケアのグローバルリーダーであるアルコンは世界で約75年、最も広範な製品を提供し、より良い視界・視力と人々の生活の質の向上に寄与してきました。当社のサージカル製品とビジョンケア製品は、世界中140カ国で、年間合計2億6千万人以上もの白内障、緑内障、網膜疾患や屈折異常に悩む人々の治療に役立てられています。世界で約2万3,000人以上の従業員が、革新的な製品、アイケア専門家とのパートナーシップ、質の高い眼科治療へのアクセスを高めるためのプログラムを通じて、人々の生活の質の向上に努めています。アルコンの日本法人である日本アルコンは、1973年の設立以来45年以上にわたり、日本のお客様や患者様にアイケア製品を提供してきました。詳細www.alcon.co.jpをご覧ください。

References

  1. Alcon data on file. Alcon Laboratories, Inc; June 2018.
  2. SIrannejad A, Tambat S, Abulon DJK. Retropulsion and mass flow of 27-gauge vitrectomy probes: comparison of dual-blade/flat-tipped probes and single-blade/beveled probes. Poster presented at: 18th Congress of the European Society of Retina Specialists; September 20–23, 2018; Vienna, Austria.
  3. Riemann CD, Zhou J, Buboltz DC. Vitreous cutter velocities: dual pneumatic drive vs. single pneumatic drive with spring return probes. Poster presented at: 2011 Annual Meeting of the Association for Research in Vision and Ophthalmology; May 5, 2011; Fort Lauderdale, FL.
  4. 販売名:コンステレーション ビジョンシステム 医療機器承認番号:22200BZX00923000
  5. Mohamed S, Claes C, Tsang CW. Review of small gauge vitrectomy: progress and innovations. J Ophthalmol. 2017;2017:6285869. doi:10.1155/2017/6285869
  6. Alcon data on file. Alcon Laboratories, Inc; May 2017.