ストーリーズ
メディカルミッションプログラム
活動報告:ラオス
NPOアジア失明予防の会
2019年 6月 17日
活動内容
実施地
ラオス人民民主共和国
Bokeo Provintial Hospital(ボーケーオ県)
実施期間
2019年5月1日~3日
治療実績
患者数:約70名
手術数:39件
手術内容:ECCE+IOL,PEA+IOL
今回の成果
2019.5.1 深夜、羽田発バンコク経由にてまずはタイ北部チェンライで入国。
今回の訪問先は、ラオス・タイ・ミャンマー3か国が接するとして有名なゴールデントライアングルがあるボーケーオ県。車で山々を抜け約2時間、メコン川に架かる第4友好橋(日本のODAが建築)両岸での出入国手続きに約30分をかけ、やっとラオスに入国。乗り継ぎ時間などを含めると、自宅から約20時間を要した。現地医師Sonchaiと共にBokeo Provintial Hospital へ直行し、資材の運搬および機材の確認を行うと既に夕刻となった。
翌朝、病院では40名程の患者さんが来院していた。白内障手術が必要と判断された患者さんのほとんどは手動弁や指数弁視力であり、高齢者の場合現地での手術適応は2mより先が見えれば適応外、日常生活に支障がないと判断される。白内障以外では、視神経萎縮・黄班変性・網膜色素変性の患者さんや屈折性内斜視の幼稚園児などの診察を行った。
Bokeo Provintial Hospitalの眼科ではSonchai医師1名と看護師・スタッフ含め4名が勤務しており、私たちが診察をしている間に手術室の準備を進めていた。初日の白内障手術件数は24件、ECCE症例が大半でPEA症例は5件であった。
翌日は術後患者も含め約50名の診察を行い、15件の白内障手術を施行した。ラオスの地方では移動も大変であるため、両眼の場合は翌日に手術を行うことがほとんどである。
現在ラオス国内18県中5地方PEAが可能となっているが、ボーケーオの超音波白内障手術装置は古いもので、前房の安定性は低くまた角膜内皮障害も生じ易い。現地で使用している粘弾性物質の性能は悪く、日本から持ち込んだ粘弾性物質は大変有用であった。
今後も地方での手術技術指導や普及活動を行う予定だが、安心・安全な手術を行える環境を整えるには日本からの資材提供は大変重要である。
今夏は、中国とミャンマーに国境を接するルアンナムタ―県での活動を予定している。
NPOアジア失明予防の会
栗原 久美子
ラオス人民民主共和国
- 公用語:ラオス語
- 首都 :ビエンチャン
- 面積 :24万平方キロメートル
- 人口 :約649万人(2015年,ラオス統計局)
- 通貨 :キープ(Kip)